ー試合当日ー
俺は、その日の朝早くから平田達の朝練を見ていた。
何でも、今回は強豪なチームと試合するんやて。
「平田っ!そっちちゃうって!こっちや!」
あんまりこういうの得意ちゃうねんけど、自分が指示した方に動いて、上手くいったらおもろいと感じる。
「えいっ!」
変な蹴り方で、かろうじてゴールにボールを入れる平田。
「ははっ!お前どんな蹴り方やねんっ!」
「うるさいっ!」
面白ろすぎるやろ、、、平田の蹴り方。、、、でも、前より上手くなってる。
「でも、その調子。落ち着いていけっ!」
その後も、平田のチームは確実に点を稼いでいった。
が、相手もやはり強豪なだけあってあっという間に逆転されて負けた。
「、、、落ち込む必要ないで。」
平田に、出来るだけ明るく声をかける。
「だって、、、負けたら意味ないじゃん。」
平田はずっとこの調子で拗ねている。
「点、入れれただけでも大したもんやで。、、、それくらい強いチームやってん。」
今回は、冗談抜きで強いチームやった。
「ん。次は、頑張ろーっ!」
「そうそう、その意気やっ!」
平田がポジティブな奴で良かった。
、、、一回負けたくらいで落ち込んでたらこの先持たへんからな。
折れてまうなよ、平田。
、、、お願いやから。

