これは突然な事だった

ある日の土曜いつもの様に藍子の部屋で、勉強をしていたとき
♪〜♪〜♪
ケータイに一本の電話がかかってきた。

「藍子!チョッごめんね」

「いいよ!いいよ!気にしないで電話しておいでー」

「行ってきまーす」

私は、そのまま藍子の家の外に出た。
非通知・・・誰だろう?
「はっ・・・はい。もしもし」
『・・・』
なにこいつ!いっちょ前に私を無視するのか!

腹立つ

「もーしーもーしー」
『・・・』
それでも返事は無かった。
「迷惑電話ですかー?私切りますよー。」
電話を切ろうとしたその時・・・。
『優・・・俺だ・・・。』

・・・その声は、元彼の、
佐々木光輝(ささきこうき)からだった。
光輝とは同じ高校だかクラスが離れているから別れた後顔を会わせずに済んだ。

なのに
また急になに。
「急に何?もう連絡しないでっていったよね」
私はいつもより声のトーンをわざと低くして、言葉を返した。

『俺やっぱり優じゃなきゃだめなんだ。俺らやり直せないかな?』

今更・・・。今更・・・。
「あ・・・んた・・・。あんた今更なにいってんの!!!他の女を選んだ男なんて、もう二度と見たくないんだけど!!!」
・・・。泣きそうになり、唇を思いっきり噛んだ。
泣くな。絶対、二度とこんな駄目男に涙なんて流さない!絶対。
「あんたなんて大嫌いなのよ。」

はぁ。はぁ。
『まさか・・・好きな奴出来たか?』

好きな・・・奴。
一瞬真田の顔が浮かんだ。

バカバカバカ。こんな状況で!てか何で真田が出てくるのよ!
「いない。」

『俺今回お前と離れて、分かったんだよ。お前の大切さが・・・。』

「今更遅いから。とにかく私はあんたの事もう二度と好きにならない。」
『時間をくれないか優。お願いだ。』

そう言って電話が切れた。