「またあえたね」
杏里。
俺は正直何が起こっているのかはからなかった。
俺の前には見るのも懐かしい幼なじみの姿がただただあるだけだった。
「なんで…」その言葉を出すのが俺には精一杯だった。
その言葉を聞いた杏里は"自分でもわからない"と、いわんばかりに首を横にかしげていた。
俺はその時思った。
いつも憎たらしくて可愛げのない杏里だけど、もう会えないと思っていた杏里に久しぶりにあえて、素直にうれしいと。

それから俺たちは空一面に広がる星たちを静かにずっと見上げていた。
今日の星もひとつひとつが輝いていてとても綺麗だった。
そう。あのひとまったく同じだ。
「本当に変わらないね。」
俺がそんな事を思っていると杏里がそんな事をいった。
杏里をみると切なそうに空を見上げていた。
「この海も…」
その言葉に付け加えるように杏里は顔を俺の方に向け"海くんも"といった。
杏里の目はなんだか空を見上げていた時の目と全く同じだった。
なんだか切なくさみしいようなそんな感じの目をしていた。
「杏里…」俺は杏里と迎え合う体勢になっていった。
"ごめん"と。