―――傘を忘れたんだ。


そう言った僕に、キミは傘を差し出した。


『駅まで一緒に入っていこ』
恥ずかしそうに、はにかみながら。


僕は、知っていたんだ。

キミが、僕のことを好きだって。


自分に好意を寄せてくれている子を、気にならないわけはない。


僕もいつのまにか、キミに惹かれていたんだ。