「どこに行くんですか?」 電車の切符を買ってくれたりゅうじさんにお礼を言ったあとに訪ねた。 「何で敬語?」 前を向いたままのりゅうじさん。 「年上だから」 りゅうじさんはすごく背が高いから 顔を見るのには見上げる必要がある。 「敬語やめて」 「うん」 りゅうじさんと初めて会った人はきっと 冷たいって思うんだろうな。 でも、麻耶はね そんなりゅうじさんに恋をしたからなんだか嬉しいよ。 好きな人と話すってこんなにうれしいことなんだね。