声の主は、男性だった。由美子が振り返ると、あどけない顔の好青年が2人の元に近づいて来た。


「今井くんが、今住んでいるところと別のアパートに変えて欲しいそうなんだが。」


「え、なんかあったんスか?」


急に馴れ馴れしい口調になったところから、由美子は彼が新入社員で自分より年下だろうとジャッジした。


「実は、ちょっとストーカー紛いにあいまして...。」


「まじスか。東京で誰か振った男でもいるんスか?」