「大阪~大阪~」 「・・・・。ふぇっ!?」 いつの間にか背もたれを倒して、本を顔の上に乗せたまま眠ってしまっていた。 大阪で降りる人たちが荷物を取りにごそごそと動き出した。 「わ、やばいやばい・・・」 由美子も慌てて本をかばんに仕舞い、席を立つ。 例のスーツケースを取って、いざ大阪の地に降り立つと平日だと言うのに、人でごった返していた。 「さすが、大阪・・・。」 東京の人混みも嫌いだが、大阪とは訳が違うような気がした。