「俺を置いて行くなんて、冷たいやつだな」


「彼女かと思って、気を使ったの」


あの女の子の顔がチラつく。
カワイイ子だったな。


「彼女じゃないし。つか、そんな気ィ使うな、オマエのくせに」


あたしは顔をあげた。
優しい表情のアイツが、あたしを見てた。


「やきもち妬いたかと思った」


アイツがあたしの頭に、ポンと手を置いた。