「家、近所なのに嫌われたら、顔を会わせ難くなるから」


アイツがボソッと言った言葉がかわいくて。

つい、あたしは笑ってしまった。


「笑うなよ」

そう言いながら、またあたしの頭に手で触れる。
それが、心地好いと思った。


「毎日一緒にいるのに、俺のこと好きになる気配もないし…」


頭に置いた手で、髪をくしゃくしゃにする。


もう! と払うけど、きっと顔は緩んでるはず。





『どのツラさげて、会ったらいいの?』
なんて、考えなくても。

キミといると、笑顔になる。





〈どのツラ問題〉