干物女の恋愛事情
















あ、違うや……




笹原部長の呆れ顔はここ数週間なんども拝んでる。



主に淘汰と遮断されてから断食まがいなことをし始めてから






さすがはあたしだ。









「あいつもさ、おまえの話結構すっからさぁ」





ククっと。意地悪い顔をしてグラスに口付ける姿を横目に


「淘汰がですか?」あたしも自然とお酒が進む






陽気なジャズがゆったりと切なげなバラードに変わる


その瞬間、あたしたちを取り囲むすべての雰囲気が一様に甘くなる






なんか、落ち着かない…。










「そ、姉貴みたいだとか。自分の子供みてぇだとか、まぁ色々だ」



「あたしそれ毎日小言みたいに言われてますよ?子供じゃないんだからって」








そわそわしてしまう。









「小言っつうか、最早躾だな」あたしを見ながら口角をフッと上げる笑い方



すっごく格好が付いてる










小学生の頃にできた男友達を彼氏呼びして以来、


"彼氏"という固定の名称を持ったことがなく




おまけにいまでも付き合いは男同士のソレに近いようなあたしには











「……っ」












-----------かなり危険だ。