干物女の恋愛事情










過去何度も誤解されたことがあるから


その厄介さは承知済み



だけどもし奈津子さんにあたしと淘汰が付き合ってるって誤解されたら


面倒くささは今までの比じゃないと思う………




絶対…嫌





「芦屋?おい、聞いてんのか」



最悪の想定を想像していたあたしは笹原部長のちょっと不機嫌な声に


はじかれるように顔を上げた



そこにはやっぱり不機嫌そうな顔




やばっ…


あたしぼーっとしてた?



「たくっ…おまえはいつもどっかに飛んでるな」



ははっ…

全くです



呆れ気味にそう言われ返す言葉が見つからない




「まぁまぁ部長。やつあたりしないでください」



奈津子さんが綺麗な顔を優しくほころばせ部長をなだめる



長い綺麗な黒髪に上品な振る舞い


十分綺麗な人だって思ってたけど改めて思った




…綺麗な人だなぁ


なんでこんな人を淘汰は振ったんだろ…贅沢ものめ




「ごめんなさいね、未来ちゃん。あたしたち洋子達と待ち合わせしてたんだけどドタキャンされちゃって……」




あぁ…だから"八つ当たり"ね


チラッと笹原部長を見ると罰が悪そうに頭をかいていた




「……そーいうわけだ。悪かったな」


「…えっいえ!!」




ん………


ちょっと待てよ。



洋子さんと約束してたのはわかったけど


なんで笹原部長と奈津子さんが一緒にいるの?


だって二人共家も近くないし、退社時間も別々だったよね?




んん?


これはまさかっ……





淡い期待が胸をざわつかせる