「あ、りがと…」




受け取ってもすぐに飲む気が起きない




なんせ朝ごはんをここ15日間すべて抜いているからなにも受け付けないんだ


ちなみに昼は7回、夜は10日食べてない





おかげでゲッソリ






これもそれも全て淘汰さんと会えていないからである





今までの食生活はすべて淘汰が握っていたと言っても、過言ではないくらいに淘汰に依存していた




つまり淘汰がいなくなったことによって、

食生活という概念があたしの中でゆがみ始めてしまったのである。



元から手先が不器用だったせいか、料理は全くダメのあたしが

わざわざ自分で作ってまずい料理を食べ、結果落ち込むなんていうことはする訳もなく






今まさに"体調が悪い"のである。







もうほんと、どうしようもない












「ちょっと、未来」


「ん~?」


「まじであんた痩せたんじゃない?ほら、足が細い」


「元からだよ」


「寝言は寝て言いなさい」





……理央って心配してくれてるのか、


精神的にあたしを倒れさせたいかのどっちかだよね






理央の顔を力なく睨み、笹原部長から書類を貰う



どうやらオッケイらしい。よかった。





「内容はいいから、あとココと、ココ。もうちょっと具体的にして来い。これじゃあいざって時に説明に困るぞ」





的確に微妙な点を指摘してくれる笹原部長は仕事の顔。



仕事ができる大人の男って感じだ






やばい、惚れる





すると、そんなよこしまな思いが伝わったのか、

笹原部長はみるみる顔を歪めて




「おい、俺は趣味じゃねぇ」




なんて、無駄な牽制




「……あいにくタイプはマッチョなんで」




ふん、とそっぽを向く


向いた方では水嶋くんが自分の腹筋と腕を見て、



「………マッチョ……」項垂れていた




いやいや、別に水嶋くんにそんなこと求めてないよ。てか嘘だしね




苦笑いをする。と、笹原部長が意地悪くその端正な顔を綻ばせていた





「ほぉ、マッチョねー…………久藤は実はガチムチ?」





まさかの爆弾発言。ここで淘汰の名前を出しますか!!!


ほら見なさい、理央は呆れてるし。水嶋くんは顔引き攣らせちゃってんでしょーが!!







返答に戸惑っていると、







「--------俺がどうかしましたか」











最悪な人襲来