干物女の恋愛事情









…………


やっぱ、犬は辛いな。うん、辛い


だってすごく可愛いし、ご飯美味しいし。



多分淘汰がいなくなったらあたしは余命2週間はきる

死因は餓死で決まりだ




サァと顔を青くしていると不意に淘汰の声が響く


甘く透明感のある声は抑揚があった





そしてあたしは

もれなく固まる



理由は色々と思い出したから。淘汰の一言で


思い出したくもない、理央のあの言葉を






「…も、もう一度言ってください?」



聞き間違えだ。あれはきっとそうだ


ちょっと理央の馬鹿野郎の言葉が肥大化して

ちょっとした幻聴を聞いてしまったんだ…きっとそうだ




だってまさか


今この状況で





「泊まるだなん―――」

「今夜泊まります」





……オーマイG


本当だった…

まさかの泊まる発言



あたしが淘汰の家に泊まることはあっても、

淘汰があたしの家で一夜を明かすことは今までなかった




理由は、ベッドが狭くこんなあたしがって感じのファンタジーのお部屋だから


うさぎさんとくまさんがお手々をつないで踊りまくってる




なんだか馬鹿にされたくないやら、恥ずかしいやらで

今まで入ることをそれとなく逸らしてきたのに……





「まさか無理なんて言いませんよね?先輩」



顔は笑っいらっしゃるのに、目がマジだ…



これは断ったら後々厄介……もうご飯作ってくれないかもしれない!!


それだけは!!!!