紙を全力で押しつぶしていると、
その様子を見ていた笹原部長がいつかのように楽しげに笑う
「…社内恋愛なぁ」
あっ…!!
そうだ、あの紙……
【社内恋愛もいいけど背後にきお付けろ♪】
"社内恋愛も……"
ど、どどどうしよう!!!!
サァと血の気が引くのが分かり恐る恐る笹原部長を見上げる
この会社では社内恋愛自体に強い統制はされていないが、
この男、笹原部長はあたしの知る限り大の噂好きだ
絶対淘汰とのことを知られたら馬鹿にされるに決まってる!!!
そして案の定……
「やるなーお前っ!!もう女として諦めてんのか思ったら、いいじゃねーか!!」
ケラケラケラケラ……
なんて楽しそう……。
「やっぱ淘汰はなんでもねぇのか。まっ温かく見守ってやるよ」
その笑顔が怖いんです、なんて言えず
「あはは……」と苦笑いでごまかす
というかやっぱりって。淘汰は無理とか言いたいんですか?
まぁ無理だけども
そして陽気に自分のデスクへと戻っていく笹原部長の後ろ姿を見送る
せめて淘汰の名前がバレないことを切に願おう
そしてバレたらすぐこんな関係は解消だ


