淘汰は料理もできるし要領もいい
大抵のことは突き出ていなくてもそれなりにこなしてしまう
おまけにあの容姿が手助けをして世渡りも上手い
どっちかっていうと、
あたしが恋人役をお願いする立場なのかも
まぁいらないけどね
「きゃー!!未来さんだなんて!大丈夫ですっ!!凄くお似合いです!!」
淘汰のことを気に入ってしまったのか小咲ちゃんは「羨ましい!」と淘汰に握手を求めた
芸能人か。と冷ややかに見つめるあたしの視線を無視して
笑顔で応じる淘汰
「そう言われると嬉しいです。あなたは未来さんのお友達ですか?」
「…未来さんって初めて言われたけど」
「黙っててください、未来さん」
ボソッと言っただけなのにこちらを見ようともしない恋人に一瞥される
…恋人中はずっと未来さんなのね
もはや少しのことは
諦めよう……。


