その時-----------。
ガチャンッ
突然聞こえてきたガラスや陶器が割る大きな音
そのままの体制であたしと淘汰は一斉に音のした方を向いた
そこには、
「なっ…なななっ!!なにやってんのよ!!!」
「……奈津子さん」
今、この状況で最も会いたくない人がいた
どうして…?今日は来てなかったんじゃっ……
だけどワナワナと震える奈津子さんは、
今までどこかで仕事でもしていたのか
スーツがよれていつも綺麗に止めてあるヘアピンが乱れ取れかかってる
それが怒りに震える彼女をより恐ろしげに見せていた
恐怖でブルっと震える
ど、どどどうしよう!!!!
とりあえず、淘汰から離れようともがくが、なぜか淘汰は離してくれない
「と、淘汰!!?」
「しぃー先輩。俺たち恋人なんだからいいんだよ」
こ、恋人って…!!
奈津子さんの前でこのままでいろと!?
チラリと奈津子さんを見る
嫉妬にまみれた大きな瞳には殺意ともとれる憎しみが沸々を湧き上がっている
……無理。


