不意にあたしの服の襟を掴まれる感触があったと思ったら
グイッと引っ張られる
ギュゥと締められる首……
「ぅっ…」
あたしはうめき声をあげてそのまま後ろに倒れこむと、
ふわっと暖かく厚い胸板に頭部をうずめた
服越しにわかるほどよく付いた筋肉と甘い苺の香り
苺が子供の頃から大好きなあたし。
思わずくんくんと匂いを嗅いでしまいそうになる……
だけどそれができないのは
突然のことに驚いてカチコチに体が固まっているから
声も出ない
すると首元にふぅと息がかかり、思わずビクッとなる
「先輩可愛すぎです」
あたしの首元に埋まる顔
と、淘汰……だよね
てゆうか淘汰しかいない
「……あのぉ…淘汰くん」
「はい」
はいじゃ…ないでしょう
「なんで抱きしめられてるのかな?」
するとクスリと笑われたきがした
「なんでって…先輩が煽るような顔するからですよ」
した覚えはないんだけどね……。


