時々淘汰はこうして意味のわからないことをあたしに言う
それでわからないあたしを楽しげに見てるんだから、
淘汰としては楽しいのかもしれないけど…。
あたしはその時生まれる妙な胸の痛みに不思議を覚える
向かいの席では理央がいそいそと落ちてしまったせんべいを拾っていて。
あたしを見ていた淘汰にふんわりと笑いかけた
「淘汰くんも大変ね。ここまで言ってもこうなんですもん」
淘汰が少し驚く
「あ…わかっちゃいました?早下先輩」
「まぁね。私も無駄に年を重ねてないからさ」
「いえいえまだ若いですよ」
……なんだこれ
よく分かんない理央と淘汰の会話にため息をしつつ
ふと部長用の窓を背にした席を見ると
偶然、笹原部長と目が合った
偶然……?
それともずっと見られてた?
すると笹原部長は口パクでなにかを言ってくる
ん…っと…
"し"ご"と"を"し"ろ"サ"ボ"り"ま"ど"も"
………怒ってる
それからいくらたっても来ない奈津子さんに怯えつつ
あたしは一生懸命仕事をこなした
だけど結局あたしの要領ではせいぜい淘汰の半分くらい
笹原部長なんかと比べると5分の一もないかもしれない
そして残業が決定


