プルルルルル



朝6時


朝寝坊防止のために設定された着信音がけたたましくなる



これはある人からの着信を知らせるための音



…ほんと、いつも時間ピッタリ


名前を確認しなくても誰だかなんてすぐにわかる



「…んぁ…ふぁい?」



まだ半寝のため、寝ぼけたような声が出た


それを電話の主はクスリと笑う



「先輩、おはようございます。まだ寝てるんですね」


機械ごしでも優しく耳に届くアルトの声


それがすごく心地好くてまた眠たくなってきた



「…おはよ…淘汰」


「眠そうな声ですね」



だって眠たいもん…。


ふぁと欠伸をすると、この電話の相手、久藤 淘汰(クドウトウタ)は笑った



「朝ごはん作ってるんですけど、いります?眠気覚ましにでも」



淘汰の料理かぁ〜…

確かに美味しんだよね



淘汰の声の合間に聞こえる、なにかをトントンと切っている音に

ぐるるるっと一気にお腹がすいた気がした




チラッと時計を確認する


出社の最低目安まであと1時間…



余裕だっ!!




「うん!行く行くー!」