キョトンと。餌を待つ犬のように
あたしと笹原部長を交互に見て首をかしげてる大宮さん
写メりたい。全力で
無意識のうちにカメラを構えていると、
横から笹原部長の手によって阻止された
む…
「……あ、そういえば睦生。おまえってまだあの仕事か?」
大宮さんを、撮る、撮らせないであたしと揉めながらも
なんの影響もなく笹原部長が聞く。
「うん。そだけど?」
「ならさ、こいつに指導してやってくんねぇか」
ポンと。頭の上に大きくて暖かいものがのる
それが笹原部長の手だと気づいた時には、
何故か納得したような顔をする大宮さんが
「いいよ」何かを了承した時だった。
え、なに


