あたしが奈津子さんを慰めていると
不意にタバコを吸っていた笹原部長が口を開いた
「芦屋ぁ」
こっちを見ないであたしを呼ぶ
「はっ…はい」
「おまえさ。用事ってやつ、終わったの?」
へ…?
用事?
首をかしげるあたしにやれやれと笹原部長が首をふる
5歳しか離れていないのに大人の余裕を感じてしまう
きっとあたしが5歳年をくっても笹原部長みたいにはなれない
「用事あるから急いでたんだろ?」
タバコの火を携帯灰皿で消し、切れ長の瞳をあたしに向けてくる
ドキッとしながらもやっと思い出せた
あのウソがこんな形で帰ってくるとは………
「えぇ…まぁ。」
「で?すんだのか?」
「あ~…いえ?え~と…まだ…かなぁ…」
「なんだそれ」
思いっ切り呆れられた
だ、だってウソなんですもん!!!
すぐに返事できるわけないでしょう!!?
その時……
走ってくるような足音があたしの背後で響く
ん…?なに?
あたしがふりかえるより先に
その正体を見た笹原部長が少し驚いた様子でこう言った
「あれ?"淘汰"なんでここにいるんだよ」
と、ととととと淘汰ですと!!?


