奏恵は、走って菊地のもとにいった。


『ハァハァ…。ごめん…。おそ…く…なっ…て。』

『大丈夫か?息切れヤバいぞっ!』

『大丈夫だよ?』

奏恵は、笑った。
でも涙は、とまらない…。
『ホントかぁ?でも…』

『ホント、大丈夫だから…。気にしないで…』

奏恵は、クラクラした。
でも、精一杯の笑顔をみせた。

『なぁ…今からどこいく?』

菊地は、腕時計をみた。

『えっ?もう6時かぁ…。この時間じゃあんま遠くには、いけねぇなぁ…じゃあ、ゲーセンでも…』

『ごめん…。今日は、スゴく疲れちゃった…。』

ごめんなさい。菊地…。
私なんかのためにずっとまっていてくれたのに…。
私ってわがままだよね(泣)

奏恵は、罪悪感でいっぱいだった。

『そっ…そっかぁ…。じゃあ今日は、もう帰っちゃうのか?』

『う…ん…。』

『ほんじゃあ、家までおくるよっ!』

『いい…自分で帰れる。』

ホントにホントにごめんなさい。奏恵は、自分が自己中なことぐらいわかっている。
でも、また人に迷惑をかけたくなかった。
今いってることも迷惑なことだとわかっているが
一緒に出かけるなどしたら、もっと迷惑をかけてしまう。だから奏恵は、断った。

『そっ…かぁ…』

『菊地君。断ったかわりといったらなんだけど、メアド交換しない?』

『えっ?マジで??ホントにいいのか?』

菊地は、喜んだ。
欲しかったオモチャをかってくれた子どものように…。

『赤外線で送るね。』

そして2人は、メールアドレスを交換した。

『じゃあね。』

『うん。また明日。』



奏恵は、歩いた。
でも疲れがMAXになり


ドンっ


道に倒れてしまった。
倒れたまま奏恵は、動かなくなった。

その後の記憶は、ない。
ただ、携帯が
ピピピピっとなっていることだけは、わかっていた。
でも体は、動かない。

奏恵は、そのまま眠ってしまった。