それからも学校案内が続いた。黒羽は、奏恵と目をあわせなかった。学校案内は、まるまる1時間つかった。教室に戻ると休憩中だった。奏恵は、自分の席に座った。奏恵の前の席の子は、女の子だった。その子の席のまわりには、3人の女の子がいた。

『奏恵ちゃんも一緒にはなそっ!』

前の席の子は、後ろにふりかえった。

『うんっ』

『私、渡瀬愛香(わたせあいか)!よろしく。』

愛香は、化粧が濃く、スカートが短く、バカそうだった。

『あっ…よろしく』

『奏恵は、なんでこっちにきたのぉ?』

愛香は、初対面からなれなれしかった。でも、それのおかげではなしやすかった。

『あっちでいろいろあって…』

『そうだったの…。元気だして!ウチらと一緒にいよね?うちらなぁんにもしないから』

愛香は、目が潤っていた。奏恵の手を強くにぎった。

なんだかここだと自分がかわれる気がした。


奏恵は、すぐに愛香達と仲良くなった。愛香のグループには、品川たえ(しながわたえ)、龍神歌(りゅうじんうた)、堀川珠絵里(ほりかわじゅえり)がいた。みんな化粧が濃くてスカートも短かったが個性的だった。品川たえは、運動神経抜群。龍神歌は、家が不動産でお金持ち。堀川珠絵里は頭がとてもよく、いつもテストでは、学年1をあらそうぐらいだった。渡瀬愛香は、勉強もスポーツもできないがいつも明るく、元気いっぱいでクラスの人気者だった。みんなからは、愛香ちんとよばれていた。


『愛香ちん、今日カラオケいこー。』

『いいよいいよ!奏恵もいこぉ!てか、いける?』

『うんっ!』

学校帰りにカラオケにいくことになった。





私、友達とこういうことしたかったの。