ご飯を食べている時もかんがえた。でも、思いあたることなんて1つもなかった…。

『なぁなぁ…彩香となんかあったかぁ?』

『いや…なんにもないよぉ…』

『そっかぁ。今日、映画でもみないか??みないかっていうか…みよっ!ほら』

菊地は、前から買っていたチケットを奏恵に渡した。それは、奏恵がずっとみたかった映画だった。でも今は、そんな気分じゃなかった。

『ごめん…。いきたいんだけど…今日は、妹と留守番だからいけないんだぁ…ごめんね…』

奏恵は、家に帰った。家に帰っても考えた。でも、なにもおもいあたらなかった。なにも…。