黒羽は、奏恵を抱えて自宅に向かった。


『はなしてよ…。』
奏恵は、何度も言った。でも黒羽は、返事を返してくれない…。

『黒羽君…。私の話を聞いてよ…。』

『……。』

『なんでさっきから返事してくれないの??』

『……。』

奏恵は、黒羽に何度も質問したがこたえてくれない。そうこうしているうちに、黒羽の家についた。

『もぉ…いい加減に放してよっ。』

バンっ!!


奏恵が言った瞬間、黒羽は、奏恵をベッドに放り投げた。

『フッ…お前、さっきからうるせぇ。』

『はぁ?あんたが、私をここにつれてきたんでしょ?爽太のとこにかえして。』

奏恵は、怒った。

『はぁ…。この間言ったよな…?オレと菊地のお母さんは、同一人物だって…。』

『だからなに?爽太に仕返し?信じられない…』

『なにが、信じられない…だよ!!親に捨てられたオレの気持ちがわかるか?』

『わかんないよ…。爽太は…でも…でも…』

『でも…なんだよぉ??!』

『あっ…いやっ…その…。』

奏恵は、なにもいえなくなってしまった。

『こんな簡単に菊地が見つかるなんて思わなかったよ…。お前にしておいてよかった。』

『お前にしておいてよかった?いみわかんない…。』
奏恵は、走って玄関に向かった。でも、いつも通り、腕を捕まれ逃げれなかった。

『お前もなんにも気付いてないのか??(笑)』


『何を?爽太のとこに……』

グイっ

『さっきから、爽太、爽太って…うるせぇんだよ!』

『キャッ…。』

黒羽は、奏恵をベッドに押し倒した。

『こんなことしたら…あいつ怒るだろうなぁ(笑)』

そういうと黒羽は、奏恵の首筋にキスをした。

『ホントにやめてよ!!』

『やめない(笑)』

『いみわかんない…。なんであんたは、私を選んだの?』

『やっぱり気付いてないんだ(笑)』

『なにを??どいてよ…。重い…。』

『高校になって変わった女の子?にあったことないか?』

『えっ?』

奏恵は、考えた。
奏恵の中で思い当たる変わった女の子という子は、入学式の時にあった女の子しか頭になかった。

『入学式の日にあった女の子…。』

『正解。』

『まさか…あの子に探らせていたの??』

『うーん…あってなくもない…。あってはしてないから間違いだね。』

そういうと黒羽は、奏恵にキスをした。

『なんでそんなことするの?』

『だって間違えたから…。間違えたら罰をあたえなきゃね(笑)』

『じゃあ、正解は、なんなの?』

『正解はね…、あの女の子は、俺なんだよ!!』

『そんなの絶対嘘よ…』

『嘘じゃねぇーんだよ。』

黒羽は、奏恵のブラウスのボタンを上から1つずつ外していった。


『やめてよ!』

『やめねぇーよ。こうすりゃー、菊地もお前をあきらめるだろう?』

『やめってって…。ホントにやめてよ!!』

奏恵は、大きな声でいった。黒羽は、奏恵の顔をみる。

『爽太ー…。爽…太、助けにきて…。』

黒羽の手は、とまった。


『チッ…。もういいよ…。』

『えっ?』

『だから、もういいって…。はやく俺の前から消えろ!』

奏恵は、外されたボタンをつけて走って家に帰った。


『あの女…なんだよ…。爽太、爽太って…』

黒羽は、知らないうちに涙を流していた。

『菊地…みてろよ!!お前の大切なもん1つとってやるからな…。』