菊地は、走って抱きついてきた。


『奏恵、心配したよ…。』

『ごめんね…心配かけて。』

菊地は、泣いていた。

『メールもいっぱい送った。気付いてた?』

『ごめん…今さっきまで寝てたから気付かなかった。ごめんね。』

奏恵は、笑った。菊地に心配をかけたくないいっしんで…。

『じゃあ、あのメールみなくていいから…。』

『あっ…そっか…。疲れているみたいだし、あがっていく?』

『えっ?いいの?おじゃましまーす。』

菊地は、ずっとキョロキョロしてる。

『爽太は、ご飯食べた?』
『ううん。』

『じゃあ、なんか作るねっ。』

『ありがとっ。オレも手伝うよ。』

2人は、キッチンにいった。奏恵は、冷蔵庫をみた。冷蔵庫の中には、何もなかった。

『ごめん…。なんにもない…。』

どうしよう?焦った。冷蔵庫の中には、たくあん、バター、はちみつ…

『米ある?』

『あるよ。』

『じゃあ、炊いてたべよ。』

ご飯が炊けるまで
35分…。


2人は、ソファーに座ってテレビをつけた。
ちょうど学園ドラマがやっていた。
2人は、無言でテレビをみている。奏恵は、菊地をみた。菊地は、座ったまま寝ていた。奏恵は、初めて菊地の寝顔をみた。奏恵は、菊地の顔を自分の膝においた。奏恵は、菊地の頭をなでてニッコリ笑った。その時、炊飯器がなった。

『爽太ぁ?ご飯炊けたよ。』

『イヤだ。このままがいい。』

奏恵の顔は、かわった。爽太が今いった言葉は、昨日黒羽が言っていた言葉と同じ。

『そっそっかぁ…。』

奏恵は、思い出した。黒羽と菊地の母親は、同一人物。信じられない…。自分の近くにこんな2人がいるなんて…。黒羽は、菊地と母親が同じとしっているが、菊地は、その事をしっているのか…。なんだか心が重い。そんな事を考えながら寝てしまった。








ピーンポーン



インターホンがなった。
インターホンの音で2人とも目が覚める。

インターホンを押したのは、奏恵の妹の七恵だった。
『七恵?帰ってくるの早くない?』

『オレどうしたらいい?』
『2階の私の部屋に行っといて。』

『うん。わかった!』


ピーンポーン


2回目のインターホンの音がした。奏恵は、菊地が自分の部屋に行ったのを確認してインターホンにでた。

『七恵、今から鍵あけてくるね!』

玄関に行き、鍵をあけた。

『お姉ちゃん出るの遅い。』

『ごめんごめん。』

『てか、昨日お姉ちゃんどこいってたの??』

奏恵は、焦った。菊地に聞こえていたらいけない…

『友達の家でお泊まりしてたよ?』

『そーなんだぁ。』

妹が信じこんだので、安心した。
妹は、ソファーに座り、テレビをみた。
妹がテレビに集中している間に菊地を帰らそうとした。奏恵は、2階へいって菊地を呼んだ。

『爽太ー。今のうちに…』

『うん。』

2人は、すばやく階段を降りて玄関に行った。

『私が爽太ん家まで送る。』

『いいよいいよ。』

『いや…なの?』

『そういう意味じゃ…』

『じゃあ、いいでしょ。』


奏恵は、菊地との思い出をつくり、早く黒羽とおこった出来事を忘れたかった。
『今から少しの間、どっか行かないか?』

『行きたい!爽太と行きたい!』

奏恵の返答は、ものすごく早かった。早く黒羽のことをわすれなきゃ…。

『おう!いこっかぁ』

『あっ…。お金もってきてない…。』

『オレが…』

菊地の言葉は、とまった。
菊地は、ポケットに財布が入ってると思っていたけど、カバンの中だった。
カバンは、学校の教室にある。今からとりにもどったら授業に参加しなければいけない。菊地は、彼氏の自分が財布がないなど言うのが恥ずかしかった…。
下を向いた。すると奏恵は、それに気付いたのか

『今日は、公園にしない?』

と言った。ありがと…奏恵…。菊地は、感謝の気持ちでいっぱいだった。