「…キャッ!」

転びそうになった私は、転ばなかった。

 理由は分かる。彼が後ろから抱きしめる形で

私を支えていたからだ。

 さっきより、鼓動が早くなり彼の腕の中で

 私は固まったままで居た。

腰にある腕が少し強くなる。
   
 直ぐに腕が弱まり、彼は私から離れ
   
「行こうか!!」と、私に手を差し出す。

 緊張しながら私は、彼の手を握った。

 店の前に止まっている車に乗り
 
会場に着き
   
    私達の契約が始まった。 
 
 某ホテル玄関前 

  運転手が車のドアをゆっくりと開けた。
 
 彼が先に車を降り、私は差し出された手をとった。
 
 ホテルは私が絶対入ることのないであろう高級ホテル。