な、何!?





ふわっと香る、川野くんの匂い。






これ...、川野くんに抱きしめられてる...!?







「近づかない、って何だよ」







軽くパニックになっていると、川野くんの、私を抱きしめる力が強くなった。






「だ、だって...彼女......」






「彼女とかいないから」





川野くんが、溜め息混じりに言った。






え...?





彼女...、いない......?






「え...、嘘......」






「本当だよ。俺の言う事が信用できねぇのか?」






信用できない訳じゃないんだけど...。





でも、なかなか理解できない。