「...俺、こいつと部屋行くから」


俺は美園の腕を掴んで、リビングを出た。



「ちょっと智哉!美園ちゃん襲ったら、殺すからね!」



...なんか怖い事言ってるし。



「お、おお襲うって......っ!!」



ほら、こいつも動揺してるし。


でも、ここまで焦らなくてもいいと思うけどな。



こいつ、ピュアすぎなんだよ。




「襲わねーよ。バーカ」



そう言い残して、俺の部屋に向かった。



あー...、テンション高い奴が2人いると疲れるな......。



まぁ、ほとんど姉貴のせいで疲れたんだけど。






「...奈々さん面白い人ですね!」



部屋に着くと、いきなり美園がそう言った。




面白いかもしれないけど、でも......



「あいつ、うるさいし。...俺は、お前の方がいいけど」



「......川野くんのバカ」



「バカで結構」



「むぅぅ.........」



今日はいろいろあったけど......、楽しかったよな。



顔を真っ赤にしながら拗ねている美園を見て、そう思った。