そして俺の心の中が土砂降りになったのは、そのすぐ後だった。
「………百合比瑪…」
俺は見覚えのある服を見つけ、膝をつく。
その服は彼女が着ていたもの。
もう血で赤黒く染まっていたが。
「……ヒメぇ…っ」
俺は両膝をついて彼女の服を抱きしめる。
サラサラと落ちていく、灰。
それと一緒に、涙が頬を伝った。
――もともと俺らは二人で一人
双子だから。
普通より扱う能力が弱いのだ。
そして片割れが死んだ双子は里を追いやられる。
双子は二人で一人。
〝生まれてくるのも同じなら、死ぬときも同じ〟
――なのに
それなのに百合比瑪が死んだら、俺はどうなるんだ?
この先お前がいないこの世界で、どうやって生きていけばいい?
「…百合比瑪……」
――もう、俺の隣で笑ってくれないのか?
涙が、止まらない。


