幼馴染の俺ら五人は、そんなことをして過ごしていた。


それから約六十年が経ち、俺らは大人になった。


百合比瑪以外は男らしい、ガッシリした体つきになって、前よりも筋肉もついた。


彼女は女らしく、胸もおしりも大きくなった。


谷津は相変わらず助平で、彼女の寝込みを襲おうと何度も俺ん家に忍び込む。


毎回俺が見つけてつまみ出すけどね。


それはそうと、このくらいになると、親たちが誰と誰とをくっつけようかという話が飛び交って、正直面倒くさい。


谷津も颯天も吉野も、百合比瑪の婿候補に挙がってるし、兄妹だけど当然俺も候補に入っている。


それと時同じくして、俺らはナントカ藩……あれ、県だっけ?


どっちか忘れたけど、それの仲間として政府との内乱に駆り出された。


銀鬼は他の里と違って、人間に俺らのことが知られないように、匿ってもらっているのだ。


その代りに戦争中、俺らを匿っている人間たちの兵が足りなくなったら、俺らもその戦場へ行かなければならない。


それがだいぶ昔に人間と交わした交換条件。


まぁ、この地に最初から居たのは俺らの方だけど。