紅蓮の鬼外伝



「誰って……」


ふと思った。


ヤナセって、誰だ?


『それさっき説明しようとしたけど無理だったのサ』


アハハと笑うような声音でヤナセが答える。


「あ、そっか」


納得した俺は困惑している男を見て、「分からない」というように首を傾げる。


「……な、なんか気持ち悪いからオメーらやっちまえ!!!」


最早、気持ち悪いものを見るような目で俺を見だした男はそう言い、俺を囲んでいた男たちに指示した。


『なんか気持ち悪いからって、ドンマイなのサ☆』


「なんでそんなに嬉しそうな声音で言うんだよ」


俺は片っ端から殴りかかってくる男たちを気絶させて、半目にする。


「なんなんだよ、お前ぇ!!?――ぐふっ」


恐怖故に、ほぼ泣きそうな顔で男が言い、俺は彼を気絶させた。