因みに戦場に駆り出されたのは、俺、百合比瑪、颯天、谷津、吉野を含む十一人。
俺らの里は壮年が多くて。
だけど、その内乱が終わって生きていたのはたったの四人だった。
大事な仲間を失って、内乱に勝ったのではなく、負けた。
大将は潔く切腹していたそうだ。
まぁ……これは後で聞いた話。
それから俺は姐様の手足となり、働いた。
姐様はこんな俺を里に置いて、頼ってくださる。
それがたまらなく、嬉しかった。
俺はこんな自分が誇らしい。
それから姐様の手足になって、一体どれくらいの時が過ぎただろう。
行方不明になっていた姐様の旦那。
つまり、楓太という変わった者と手合わせをした後、屋根裏で姐様の警護をしていると彼女に呼ばれた。
「鬼老院に行ってくれ。花桂樹が行かせたが中々帰ってこんらしい」
「…御意」
部屋を出ていく時、楓太の不思議そうな顔が尻目に入った。
鬼老院に着くと、彼女が言っていた銀鬼の彼らは、姐様によく似た女と闘っていた。
最初に俺に気づいたのは谷津だった。
ついでに俺が凌だということを最初に気付いたのも、谷津だった。
そして今に至る。


