俺たちは、とりあえずカラオケに行くことにした。



「なぁ蒼空…相談、のってくれるか?」

「いいよ。豹は親友だから。」

「親友…」

「僕たちもう親友でしょ?少なくとも僕はそう思ってるよ。素出してるしね?」

「おう!親友だ蒼空!」

「改めてよろしく、豹。」

「おう!じゃ、聞いてくれよ親友。」



そして俺は、正直な気持ちを蒼空に話した。
まだ、楓花にも遊愛にも…誰にも話してない気持ちを。



「俺だけさ…何もねぇじゃん?それが、嫌なんだよ。」

「豹は豹だよ?それに、豹は優しいよ。顔は怖いけど…」

「でも、なんか嫌なんだよ。蒼空は医者だし、楓花と遊愛はきっと…いや、絶対トップアイドルになる。みんな俺より前を歩いてて、俺だけ置いてけぼりだ…」

「豹には“強さ”があるよ。僕らよりずっと強いでしょ?大切な人を守るために、力は必要だよ。」



“強さ”か…。



今まで、強さなんかいらねぇって思ってた。
ヤクザの息子ってだけで怖がられてるし。



でも、守るための“強さ”。
それが俺の求めてた答えなんじゃないかって思う。



3人になくて俺にはあるもの。
これしかねぇよ!



楓花も強いけど、俺よりは弱いはずだ!