気づいた時には君はもう【完】




ずきんっ


泣きながら必死で伝える彼女をみて
胸が痛みを訴える


「…ちょっと待って…っ話、きいてよ」


やっと絞りだした声は
思ったよりも震えていた


「っ!!
…話すことなんて、もうない…っ

…ごめんね…っさよなら」


するり


俺の手の平から
離れていった彼女の手首を
再度掴むことなんてできなかった