「笹山君、あのね。あたし優君が好きなんだ。誰にも負けないくらい、あたしの頭の中は優君でいっぱいなの。あたしのこと好きになってくれてありがとう…。笹山君は面白いしかっこいいし美香の自慢の友達だよぉ。」
泣きながら、そう言うので精一杯だった。
「うん。分かるよ、俺も美香ちゃんのことしか考えてないから…。俺、まだあきらめきれない。良かったらこれからも友達でいてよ。」
笹山君の気持ちが痛いほど伝わってきてあたしは思いっきり頭を達に振ってうなずいた。
二人で、顔を見合わせて笑いあった。
ガタッ。
その時だった。
教室の扉の前で誰かがつまづいた。
あたしは、つまづいた人と目が合ってしまったんだ。
ねぇ、優君。
優君は慌てて廊下を走る。
「あ、待って。ごめん、笹山君バイバイ!!」
そう言ってあたしは君の背中を追いかけていた。
