放課後になったけど、まだ笹山君はこないみたい。
「あ、待った?ごめんね。」
爽やかないつもの笹山君だった。
あたしの前に来て深呼吸をした。
「僕いや、俺は美香ちゃんのことが、好き。初めて見たとき可愛い子だなって気になり始めてて君の一番近くにいたいって思ってた。多分、一目惚れ。俺と、つきあってほしい。」
顔を真っ赤にさせて言う笹山君。
罰ゲームとかじゃなさそう…。
マジか。でもあたしは…。
「ごめんなさい。あた、し…」
気がついたら、視界がぼやけて泣いてしまっていた。
振る方もこんなに苦しい気持ちになると思わなかった。
「ごめん、泣かないで。ほんとは気づいてたよ…。俺が振られることくらい。」
申し訳なさそうに、笹山君は笑って言った。
「美香ちゃん好きな人いるもんね。でも、少しの可能性に賭けてみたかったんだ。」
笹山君が言ってくれたからあたしも自分の気持ちを伝えなきゃと思った。
