隣の席のきみとあたし



あたし達はそのまま、サボって気づいたら学校の外にいた。


今の状況に追いつけずにいるあたしに


「…。あっ、ごめん。迷惑だった?」


そう言ってパッと手を離した。ちょっとそんな子犬みたいな目で見ないでよ…。


首を横にフルフルって振った。


「そっか。良かった、教室出てきちゃったし衣装借りに行く?」


今度は縦にぶんぶんと振る。


そんなあたしを見て優君は、


「おもしろい奴。」


って言って可笑しそうに笑ってた。


あたしは、少し走っただけなのに肩で息してる。優君は息一つ乱れてない。


なんか自分の体力のなさを見せつけられた。


あたしと、優君の距離は30センチ。


なんか歩くの速くない??


この間は手ぇつないでたから歩幅合わせてくれたんだね…。


今その優しさを痛感する。


優君の制服の裾を遠慮がちにキュッとひっぱると


そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか、


手を繋いで歩幅を合わせてくれた。