そこで忘れかけてた笹山君が、


「えっ、ここメイド喫茶すんの?」


と嬉しそう。


「うん。メイドってか、男子も執事服着るよぉ!」


藍が微笑みながら教えてる。


「へぇ~。そうなんだ!美香ちゃん絶対似合うよ!」


なぜか、ここで話をふられるあたし。


もぉ、声大きいよ。


みんなが笑って


「なに、もしかして笹山って湖山ねらいなわけ?」


とか、ついにひやかしの言葉まで…。


「ん~。どうだろねぇ?内緒。」


キャーという女子の悲鳴に似ている叫びと、男子のまじかよっていう盛り上がりは正直きつかった。


なんであたしがこんな目にあわされんのよ!


顔をぷくーっと膨らませていじける。


「まぁまぁ、落ち着いて。この話は終わり!みんなは、教室を改造しててな。よろしく。」


そういって、優君はあたしの手を引っ張ってどこかに駆け出した。


「えっ、ちょっ、待っ…。」