「優哉君!?なんでここに…。」


そういった小田桐さんの顔はあからさまに青ざめた。


「へぇ~、小田桐さんって女殴る趣味あったんだ。」


優君…。顔が、っていうか目が笑ってないよ…。


「俺、こういう風に卑怯な真似する奴と友達になれないんだよね。」


優君がこんなに冷たいの初めて見た。


剣幕に圧倒されたのか、あたしを一度キッと睨むとそのままどこかに行ってしまった。



緊張がきれたあたしは、その場にへなへなと座り込む。


「おい、大丈夫か?」


「うん。だいじょ…。」


目の前が優君にさえぎられて何も見えなくなった。


優君に抱き締められてたって気づくまでには少し時間がかかった。


「俺、あのまま美香が殴られてたら小田桐が女なのに殴ってた。
 とにかく、無事でよかった…。」


あたしは、びっくりするあまりパニくっていた。


優君はあたしよりずっと大きい。


温かくてほっとするぬくもりに包まれて


「えっ、優君??」


ってあたしが真っ赤になって急に慌てるもんだから。優君は柔らかく


「落ち着いた?一人でも立てるか?」


と優しく聞いてきた。