「待て、危険だ!!」

後ろから彼の声がする。
けれども、私は止まれなかった。

「――――っ…!」

自分の犯した失敗に小さく唇を噛む。

なぜ

何故


私はあの短時間で……


―――――あの人を信じてしまったの……?


そんなことばかり考えて、周りへの警戒を怠ったセシリアは、自分に近づく影に気付けなかった。

「―――――動くな!」