「……いたか?」
「いや、まだ遠くへは行っていないはずだ。…いくぞ」

木々の影に身を隠して、息を殺す。
気配が消えるのを待って移動する。
そんなことを繰り返し、森の奥を目指す。
この森に彼が暮らす家があるらしい。
ひとまずの安全を確保するため、そこへと向かっていた。

「………行ったか、今更だけどあんた名前は?」
「……セシリア・ヴァンフィールド」

名前を口に出したとたんに、驚いたように目を見開き静かに口を開いた。

「………あんたが光の魔法使い……?」
「―――――っ!」