そんな状況に弱音も吐かず、彼女を必死に守ろうとしたのは母親だった。 父親は彼女と引き換えに貰える金の額に目が眩み、狂ったように母親から彼女を奪った。 そして、彼女はガストラへと差し出された。 たった1人の味方だった母親。 母親と引き離された彼女の目に映るもの全て、彼女にとって敵でしかない。 ―――そう、世界は彼女の敵だった――――