「……あぅっ」 ぎりぎりと腕を締め付けられる。 その強さに思わず悲鳴があがる。 「黒焦げになりたいか……?」 「………今すぐ、手を離した方が賢明ですよ。今なら見逃して差し上げますが……?」 ヴェリウスとクロウと呼ばれた青年が、セシリアを拘束する男に警告する。 「………どうせ、殺されるくらいなら…………」 「……………え?」 男がなんとか聞き取れる声で言った。 しかし、ヴェリウスとクロウには届かない。 「……………何を?」