「リリア様!!!」

 部屋に入ると誰も居ない。
 
 「リリア様?リリア様!?」

 「おい!」

 なんだ、こんな時に・・・。
 振り向くとカイル王子が何か持っていた。

 「それは・・・」

 リリア様がいつも使っているイヤリングだ!それに黒い羽・・・?

 「ガラード族だな」

 ガラード族って言ったらずっと北の島に住んでる異属じゃないか。

 背中からカラスのような羽が生えてて飛べるんだよな・・・。

 「お前は何を見ていたんだ!それでもあいつの騎士かよ!」


 「そんなことわかっています!」

 あいつらの狙いはリリア様だ。目的は知らないがあいつらに連れ去られたことは間違いない!

 連れ戻さなければ!

 「どこへ行くんだ!」

 ------ピーーーーーー

 俺は口笛でペルーを呼んだ。ペルーはリリア様のペットで人が乗れるサイズの鷹だ。

 「私はリリア様を助けに行きます」

 犯人はあの男だ。

 アーロン様の付き人・・・・。やはりこの感覚は確かだった。

 「待て!俺も・・・」

 カイル様の声が聞こえたが俺は無視してペルーに乗り、廊下の大きな窓から飛び立った。

 くっ・・・リリア様に何かあったら俺は・・・。