「ふう・・・」
 
 今日は仕事が長引いてしまった。時計を見るともう6時半・・・。
 リリア様の夕食の時間だ。呼びに行かなければ・・・。

 それにしても・・・・・・・さっきの男・・・・。

 
 バンッ

 「誰だ!」
 俺はサッと剣を抜く。

「待て待て!俺だ、カイルだ!」

 「おや・・・カイル王子。こんなところに何の御用でしょうか?」 

 俺は笑顔を浮かべる。

 「お前・・・笑顔で剣構えるなよ・・・」

 何でこの男がここに入れたんだ?・・・あぁ・・・今日の門番はカイルのファンだったな。
 どうせサインとでも引き換えに通したのだろう。
 
 あいつをどうにかしなければ・・・。

 「ってじゃおい!リリアはどこだ!?」

 「なぜあなたに教えなければいけ・・・-っ」
 
 カイルに首元を捕まれてしまった。

 「ちょ・・・離し・・・」

 「この国にスパイがはいってるんだよ!リリアを狙って!」

 なっ・・・スパイなんて入れる筈・・・まさか!

 「リリア様!」
 
 俺は部屋を飛び出しリリア様の部屋へと向かった。

 お城から王子がついてきているがそんなことはどうでもいい。