貴方の頬に触れたなら



雪は降る。

貴方のその白い頬を撫でるように。

紅い唇が緩やかに上がる。


白い雪。白い世界に

朱色の傘。

目立つそれ。


けれど、私は貴方の緩やかに上がる


あかく、朱色に染まった唇が

堪らなく愛しいのです。


貴方の為に買った朱色の傘をくるりと回し、私は立ち去った。