スタスタと歩くと、あたしの隣の席に座った。 「後藤、お前遅刻のくせに堂々としすぎだぞー」 『はーい、すんませーん』 やっぱり、タクだった。 「あの、昨日は……」 勇気を振り絞って、声をかけると、 『おー、図々しい泣き虫ちゃん』 これが二回目のタクだった。 それからというもの、タクはあたしと一緒にいてくれた。 なにも言わずにいてくれた。 あたしはただそれだけで嬉しかった。 別に付き合うとか興味なかった。 ただ一緒にいられればそれでよかった。