「杏華ー!」

奴が私の名前を呼んだ瞬間、
クラスの皆の視線が私の方を向く。

あぁ、女子の視線が痛い…。

「お前また弁当忘れただろ?ほら。」

そう言って
お弁当が入ってるピンクの袋を出す。

「……持って来なくてよかったのに。」

「持って来なかったらお前困るだろ?」

「そうだけど…でも!!「恭夜くーん!」

言い返そうとしたら遮られた。

その子は可愛らしい袋を持って奴に抱きついた。

可愛い顔のわりに積極的だな。

「……何?」

明らかに不機嫌な顔でその子を見る。

完全に嫌われてるな、あの子。