「百合ちゃん」

そいつはあたしの名前を呼んで、優しく頬に触れた。


鳥肌がたつ。

一人で酔いしれてる男は惨めだと思いながら目線を反らす。

顔が近付いてくる。


あたしは触れていた手を振り払って、服を正した。


「さようなら」